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まぼろしたちをかかせてほしい

心あわせる幻たち

「心をあわせたことはなかった」小説のなかの一行が心あわせる幻たちを苦しく立ちあげるの。このためふたたび中断する読書。あの豹変するよるのことを心をあわせてふたりのひみつにする、まつむらきようことなかむらさんの親しさを想像させてほしい。そのようにふたりはなかったことにする。いえ、それは不可能。なぜなら、なかむらさんがまつむらきようこのひっしな気配の姿を私たちに見せたからなの。「まつむらさん嫌がっている」まつむらきようこの嫌がる反応をたのしむひと。そのすがたをみせものにすることたのしむひと。そのごも持つ、ふたりの逢瀬。逢瀬のことばを言わせてほしい。マティーニの暗いバーを利用するふたりなの。暗い。ふたりきりなの。すわるのはカウンター。そのような近さ。いえまったく咎めていないの。わたしこそ逢瀬をかさねるから。まったく何ももんだいない。たがいの配偶者が寛容なら。まったく。そうでしょう。衝撃をかかせて。