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まぼろしたちをかかせてほしい

このよるの昂揚感

マティーニの薄暗いバーを利用する、まつむらきようことなかむらさんの、特別な親しさを想像させてほしいの。そうでしょう。いざかやを同僚たちと利用するのではない。薄暗いバーのカウンター。肩をならべることの理由は。いえ、衝撃は別のことなの。あのよるのことがなかったことになっている男女の意識に驚愕させてほしい。なかったことになっている男女の意識。なかったことになっているの。葛藤も後悔も謝罪もないの。「可愛いですよ」とまつむらきようこに言うひとの意識に驚かせてほしい。まつむらきようこをみせものにするため、インターネットに投稿したひとなの。えろいえろいとからだを、いえくちびるかしら。まつむらきようこの嫌がる姿をたのしむひとなの。そのようなことをしても咎められないひとをしるのは衝撃。何もなかったような意識のひとをしるのは衝撃。それとも、なかむらさんのくちびるをこばむ、かたちだけのふりをしたのかしら。まだ望まれる私という昂揚感のため、ふたりきりのよるを重ねるのかしら。